2025/11/25
各位
シィライン株式会社
当社は、航路廃止後、山を護り育てることで、水や海を豊かにし、本来の「治山治水」を目指し、林業をスタートした経緯があります。「ナラ枯れ」対応は、近々の課題となる為、前回以降の状況などをまとめました。
1.ナラ枯れ被害の拡大について
11月18日、観測史上最速に酸ヶ湯では、1m以上の積雪が観測され、あっという間に秋から冬となりました。今年の秋の紅葉は、真っ赤ではなく赤褐色だったと思いませんか?おそらく被害にあった木々の影響だと思います。相変わらずの熊出没も、同様の木々への被害が原因かもしれません。
テレビ、新聞等で報道されたとおり、10月28日の対応対策委員会開催を待たず、弘前市の熊野奥照神社では6本、青森市の県庁前にある青い森公園では2本の被害が確認され、伐採されました。落枝、倒木などの人的被害はなかったものの、熊野奥照神社では、650万円以上の伐採費用が嵩み、経済的被害は甚大なものでした。
2.10月28日開催の対策検討委員会について
県内のナラ枯れ被害については、前季比1.6倍の10万300本以上となり、被害地域については、県内40自治体の内70%以上となる29自治体に及ぶと公表している。
同委員会の山形大学からの客員教授は、暖冬が続いたため、病原菌を運ぶカシノナガキクイムシ(以下カシナガ)が越冬し、個体数が減少しなかった可能性を指摘している。
県林政課は、「簡単に被害を止める方法はないが限られた予算と労力の中、今後の対策を検討していく」と述べている。
3.所見
地球温暖化が続く中、カシナガが越冬する可能性が高く、ナラ枯れ被害が続くと思われます。ナラやカシなどの広葉樹が枯れてしまうことで、生態系に大きな変化をもたらし、森林が失われます。土壌の流出や洪水リスクの増大にとどまらず、地域経済にも悪影響をもたらします。ナラやカシの木材価値は高く、林業に携わる人々の収入が減少します。美しい森林が観光資源としている地域では、観光客が減少し、宿泊施設や飲食店にも影響が及ぶかもしれません。また、土壌の保水力が低下することで、米等の農産物、ホタテ等の水産物にも影響がでます。
令和7年10月に青森県において、「青森県自然・地域と再生可能エネルギーとの共生に関する条例」が制定されました。条例制定の背景・目的の中に、「本県の豊かで美しい自然環境、景観、歴史、文化等は、県民共有の財産であり、今を生きる私たちだけがその恵沢を享受するのではなく、これらを良好な状態で未来の世代へと継承していくことが重要です。」と記されている。これは、三方を海で囲まれ美しい海岸線があり、白神山地をはじめとする多種多様の動植物が生息する緑の山々、そして、豊かな森林にはぐくまれた水を源とする美しい自然を大切していく。また、有形の縄文遺跡、中世及び近世の城跡、寺社および工芸品にとどまらず、無形の郷土色豊かな風俗慣習、民俗芸能まで未来の世代に継承していくと読み取れます。
国では、ナラ枯れに補助金予算を付けていたが、当県では申請しておらず、前述の弘前市の神社では、多額の伐採費用を寄付調達する状況で、腑に落ちないことばかりです。
令和8年度において、県の対応遅延よるナラ枯れ被害による経済的被害にとどまらず、落枝および倒木等による人的物的被害が起こらないことを願い、県の早急な対応を望むばかりです。